以前ご紹介した愛知県瀬戸市を中心に活躍されている陶芸作家、渡邊亜紗子さんの作品の中で、本日は前回漏れていた「時計」をご紹介します。当店では彼女の作品は小ぶりな器を中心に展開しておりますが、前回もご紹介したとおり、その精緻なまでの幾何学的レリーフとそこに施されたガラスのような色合いの釉薬の織り成す色彩とパターンの妙が、その魅力の中心と言えると思います。それらの器に施された技巧と色彩計画の一つの集大成が、この時計だと言っても過言ではないと思います。

もともとが飾り皿の製作に用いていたアイデアだという事で、なるほど華やかな中にも器らしい清潔さが感じられます。文字盤部の白磁のような白と、素焼きのような風合い（実際は違いますが）の外周部のコントラストがまず見事ですし、１２、３、６、９時の位置のグラデーションの花文様や、各時刻位置のパターンに施されたガラスのようなブルーの透明感など、どこまでも清楚で美しい色彩感覚です。二枚目の画像のように、十分な立体感もあります。このあたりはスタートが飾り皿だったことを彷彿とさせるデザインですが、平板なものと違い光による陰影もその白い盤面に絶妙に表れるわけで、そういうところにも素敵な風情と高い質感が感じられ見事です。

当店で扱っている渡邊さんの作品としては最も高いプライス（税込１０,０００円）ですが、その価値は十分以上にある素敵な作品と思います。世界で一つだけの「華」であるこの時計、あなたの素敵なお部屋に飾ってみませんか？こんな素敵な時計も待っている「キオクハウス」に、遊びに来てくださいね！

　　　立体感のある盤面形状と

　　　精緻なパターンデザイン